アブラハム
出典: MormonWiki
アブラハムの話は、ユダヤ教徒にもキリスト教徒にもよく知られています。創世記から彼がテラの息子としてカルデヤのウルの地で生まれたことが分かります(創世記11:26-28)。これはキリストの生まれる約2000年前のことです。アブラハムは最初、アブラムと呼ばれており、彼の生まれ故郷を去り、神が彼に示される「約束の地」へ行くように命じられました。彼の妻サライと甥のロトを含む家族を連れ、ハラン、カナン、ベセル、そしてエジプト、そして最後にヘブロンに至る長い旅路を続けました(創世記13:18)。放浪の旅にも関わらず、アブラハムは極めて裕福になりました。彼とサライは、彼の子孫が彼の富と神が授けられる神聖な祝福をを受け継ぐという重要な約束を神から与えられました。
神が彼の名をアブラハム、そして妻サライの名をサラと変更された時、より多くの祝福と約束が与えられました。約束、または聖約のしるしとして、割礼の実践が実行されました。しかし、子孫が星の数ほどになるという約束にも関わらず、依然としてアブラハムとサラは子供に恵まれませんでした。遂にアブラハムが100歳、サラが90歳になったとき、二人の息子イサクが生まれました。この約束された子供を待ち侘びていたため、イサクを犠牲にささげよとの神の命令は、アブラハムの神への忠実さの究極的な試しとなりました。アブラハムはこの試しを克服し、最後の瞬間に神意によってやぶに角を掛けている雄羊を捕まえ、イサクの代わりとして、はん祭に捧げました(創世記22章)。
末日聖徒イエス・キリスト教会の聖典、教義と聖約と高価な真珠の中にあるアブラハム書が、この信仰の物語をさらに詳しい情報を与えています。これらの聖句からアブラハム自身も、人身御供に捧げられる寸前だったことが分かり、アブラハムとイサクの物語はわたしたちの心に一層強烈な印象を与えます。:
- 「そして、祭司はエジプト人の流儀に従って、パロの神にささげ物をし、またシャグレールの神にもささげ物をした。ところで、シャグレールの神は太陽であった。
- パロの祭司は、オリシェムの平野の奥にあるポテパルの丘と呼ばれた丘のそばにあった祭壇上で、子供を感謝のささげ物としてささげることさえ行なった。
- 彼らがわたし(アブラハム)をささげて命を取るために、その手をわたしの上に振り上げたとき、見よ、わたしは主なる神に声を上げた。すると、主は耳を傾けて聞いてくださり、全能者の示現でわたしを満たしてくださった。そして、主の前の天使がわたしの傍らに立ち、直ちに縄を解いてくれた。
- そして、主の声がわたしに及んだ。“アブラハム、アブラハム、見よ、わたしのの名はエホバである。わたしはあなたの声を聞いた。そして、あなたを救い出し、あなたを父の家から、すべての親族からあなたの知らない異国の地へ連れ出すために降って来た。”」(アブラハム書1:9,10, 15, 16).
わたしたちはアブラハムが知識、力、彼の先祖の義を得たいと捜し求める者であることが分かり、彼らの持っていた神権を得たいと切望していたことが分かります。
- 「また、わたしのためにさらに大いなる幸福と平安と安息があるのを知り、わたしは先祖の祝福と、わたしが聖任されるべきそれらの祝福をつかさどる権利とを得ようと務めた。わたしは自分自身が義に従う者であったので、また、多くの知識を持つ者となり、義に従うさらに大いなる者となることを望み、もっと多くの知識を持ち、また数々の指示を受け、神の戒めを守ることを望んだので、先祖に属する権利を持つ正当な相続人、大祭司となった。
- それは先祖からわたしに授けられた。それは先祖から、時の初めから、まことに初めから、すなわち地が造られる前から現在まで伝わったものである。それは長子、すなわち最初の人、すなわちアダム、すなわち最初の先祖の権利であり、先祖たちを通してわたしに至ったものである。
- わたしは、子孫に関して先祖に与えられた神の定めに従って、神権に任じられることを求めた。」(アブラハム書1:2-4).
また大祭司メルキゼデクによって神権に聖任され、彼に什分の一を収めたことも分かります。:
- 「このアブラハムはメルキゼデクから神権を受け、メルキゼデクは先祖の血統を通してそれを受け、まことにノアにまで至り、…」(教義と聖約84:14).
アブラハム書は、星と衛星、地球の想像についてアブラハムが受けたいくつかの啓示の詳細について言及しています。またこの知識のいくらかをエジプトに滞在していた時、エジプト人に伝えました(「アブラハム、あなたがエジプトに入るに先立って、わたしはあなたにこれらのものを示す。それは、あなたがこれらの言葉をすべて告げるためである。」アブラハム書3:15)。
- 「そこで、わたしが数々の星を見ると、それらはきわめて大いなるもので、その中の一つは神の御座の最も近くにあった。また、その近くには大いなる星が多数あった。
- 主はわたしに言われた。“これらは支配する星である。そして、その大いなる星はわたしの近くにあるので、その名をコロブという。わたしは主なるあなたの神である。わたしは、あなたが今立っている星と同じ系統に属するすべての星を治めるように、この星を置いた。”
- 主は、ウリムとトンミムによってわたしに言われた。“コロブは、その回転による時と季節については主の場合と同じであり、その一回転は主の計算の方法によれば主の一日であって、それはあなたが今立っている星に定められた時によれば千年である。これはコロブの計算による主の時の計算である。”」(アブラハム書3:2-4).
主はアブラハムに前世と創造についても教えられました。
- 「さて、主はわたしアブラハムに、世界が存在する前に組織された英知たちを見せてくださった。そして、これらすべての中には、高潔で偉大な者たちが多くいた。
- 神がこれらの者を見られると、彼らは良かった。そこで、神は彼らの中に立って言われた。“わたしはこれらの者を、治める者としよう。”神は霊であったこれらの者の中に立って、見て、彼らを良しとされたからである。また、神はわたしに言われた。”アブラハム、あなたはこれらの者の一人である。あなたは生まれる前に選ばれたのである。」(アブラハム書3:22, 23).
彼が天体について思いをめぐらしているとき、彼の無数の産まれてくる子孫のことについて思いをはせたに違いありません。しかし彼の家族についての神の約束は、遥かに偉大なことでした。これには彼の子孫が無数になること(創世記17:5-6、アブラハム書2:9, 3:14)、そしてこれらの人々がイエス・キリストの福音を受け、神の神権を持つことも含まれています(アブラハム書2:9)。さらに、アブラハムのこれらの子孫を通じて、地上のすべての人々は、「救いの祝福すなわち永遠の命の祝福である福音の祝福を授けられる」という祝福を受けます(アブラハム書2:11)。
新約聖書の預言者が指摘したように(マタイ3: 9; ローマ9: 7)、アブラハムの偉大な祝福は、彼の息子イサクと孫ヤコブ、そして今日にまで至って、同じアブラハムの聖約を受け信じる人それぞれに、全人類の救い主イエス・キリストを通してもたらされます。アブラハムの子孫であることだけでは十分ではありません。その聖約を立てられた主に従うとき、アブラハムの聖約は、わたしたち各個人が受け継ぐことができます。それはこの地上の一人一人を愛しておられる偉大な愛のために、イエスは彼に従う者が他の人々に仕え、すべての人々が彼の大いなる最後の犠牲、復活、そして贖いを通して救われるように、イエス・キリストの福音を宣べ伝えるよう求めておられます。

